放課後児童クラブ
日中に保護者がいない家庭の小学生に、適切な遊びや生活の場を提供する放課後児童クラブ。平成30年度、高松市では46校区で開設しますが、共働き家庭の増加や、子育て世帯の地域による偏りなどによって、多くの待機児童が見込まれています。そこを補うのが民間の施設。その特色ある取り組みを取材しました。
それぞれの家庭の思いに寄り添って
アフタースクール香川
高松市東ハゼ町881─1
TEL: 087(864)6812
公設の学童保育では保育園よりも預かり時間が短くなり、働き方を見直さざるを得ないという、いわゆる「小1の壁」をなんとかしようと、保護者やボランティアが15年ほど前に支援を開始。経験と実績を積み重ね、親が安心して子育てと仕事を両立できる環境へと発展してきました。
定員は100人。そのうち、迎えが必要な児童約50人のため、それぞれの下校時刻に合わせて、送迎車が各学校を回ります。預かりは、公設よりも朝早く、夜遅くまで。親の目線でのさまざまなサポートが実現しています。しっかり勉強する、のびのび遊ぶなど、一人ひとりの希望にも対応。スクール内で、英会話やそろばん教室、学習塾も開いています。さらに、豆まきやひな飾りなど、古くからの季節行事も大切に。多くの体験を通じて、子どもたちの自主性、社会性、創造性などを養っています。
宿題をしたり、縄跳びや卓球に夢中になったり、生き生きと過ごす児童たち
大家族の中で思いやりを育む
社会福祉法人香東園小規模多機能型居宅介護
学童保育「えんざ」きっずデイ
高松市西山崎町196─2
TEL: 087(885)1165
子どもたちに押してもらうとお年寄りもうれしそう
「ただいま」「おかえり」。元気に帰ってくる円座小学校の児童たちに、おじいちゃん、おばあちゃんが笑顔で声をかけます。小規模多機能型居宅介護「えんざ」では、幼稚園や保育所、小学校の子どもたちと、イベントだけではなく継続したふれ合いを持ちたいという思いと、当時、校区の学童保育希望者が定員を超えているということが重なり、5年前に学童保育「きっずデイ」をスタートしました。
高齢者と一緒に食堂でテレビを見たり、おやつを食べたり、かるたで遊んだり。ちょっとした日ごろのお手伝いも。ごく自然に過ごす姿は、家族そのもの。「お年寄りは本当にいい顔で子どもたちを見るんです」とスタッフ。児童は全員、保護者とともに認知症サポーター養成講座を受講。進んで車いすを押したり、耳元で声をかけてあげたりと、子どもたちの中にも優しさが育っていると話します。お祭りなどのイベントには保護者も協力。互いを思いやることで、心地いい世代間交流が生まれています。
和気あいあいとすごろく作り
芸術士とともに思いっきりアート
アーキペラゴ放課後児童クラブ
高松市塩上町1─2─7
TEL: 087(813)1001
学校と家庭をつなぐ大切な時間“放課後”。勉強をしたり、工作やお絵かきをしたり、子どもたちが安心して過ごせる居場所をつくりたいという思いで昨秋に開所。アート好きの子どもたちが集まってきています。
宿題を済ませたら、待ちに待った自由遊びがスタート。広々とした空間、豊富にそろった材料や道具を使って、ものづくりを思いっきり楽しみます。その表情は真剣そのもの。そばにいる芸術士たちは、それぞれの興味に応じてさりげなくサポート。特性や個性を伸ばします。
美術館に出かけたり、公園で体を動かしたり、おやつをみんなで作ったり…わくわくがいっぱい。海ごみ調査などの環境学習も。作品を見せながら1日のことを話してくれる…寝るまでのそんなのんびりした時間を楽しみにする保護者も多いそうです。
みんなでピザ作り
今日は何を作ろうかな…
制作意欲がどんどん膨らみます