すごいぞ キウイ
果物の中でも、いまひとつ“主役”とは言い難いキウイフルーツ。しかしその栄養たるや、“主役”どころか“大スター級”だって知ってました？小さな果実にギュッと詰まったキウイの魅力をおさらいして、食卓やお弁当にもっと取り入れてみませんか。
教えてくれたのは…
香川県農業試験場
府中果樹研究所技師
濵野 康平さん
高松市農林水産課
農業振興係主事
前田 安里沙さん
風邪予防・美肌づくりに
★ビタミンＣ
キウイのビタミンＣ含有量は果物の中でダントツ。一般的なグリーンキウイでも可食部100gあたり70mgとレモンおよそ3個分。ゴールドキウイではその倍の140mgでレモンおよそ6個分。ビタミンＣの推奨摂取量は1日100mgなので、キウイなら1日1個で必要なビタミンを手軽に取ることができます。
便秘予防に
★食物繊維
特にグリーンキウイは、サツマイモにも負けないほど食物繊維が豊富。保水力にも優れていて、これが便秘改善効果につながると考えられています。
酸化を防ぐ
★ビタミンＥ
ビタミンＥは抗酸化作用が強い脂溶性ビタミン。脂質を含む細胞膜に溶けて、細胞膜が酸化するのを防ぎます。ビタミンＣと一緒にとると抗酸化作用の相乗効果も。体をさびさせない理想のフルーツ。
胃もたれ防止に
★アクチニジン
タンパク質分解酵素のこと。アクチニジンには消化促進効果があるとされているので、こってりした肉料理の後にはぜひキウイを。ただし加熱処理すると効果は全くなくなります。
むくみ改善・高血圧予防に
★カリウム
取り過ぎた塩分を排出させるカリウムは、むくみや高血圧対策におすすめしたいミネラル。野菜などのカリウムは調理過程の熱で失われるので、どうしても不足しがち。キウイなら生でしっかり摂取できます。
【ちなみに】
キウイを使ったゼリーが固まらないのはアクチニジンの働きによるもの。ほかにも、ヨーグルトと混ぜてしばらく置くと苦みを感じるのは、乳タンパク質に対してアクチニジンが影響しているからだそう。すぐに食べれば問題はありません。
キウイは夜食べよう
キウイはぜひ夕食後のフルーツに。寝ている間にタンパク質分解酵素・アクチニジンが効率的に消化をサポート。腸が活性化することで代謝も上がり、スッキリした朝を迎えられるそう。また、キウイは食後の血糖値上昇への影響が小さい“低GI”食品。血糖値が気になる人にもオススメです。
“追熟”のひと手間で、もっとおいしく
キウイは樹上では熟さない果物。収穫後に「追熟」して初めて、その品種本来の風味が引き出されます。「キウイって固くない？」「酸っぱくて食べにくい」―そんな場合は自分で追熟してみましょう。
キウイの食べごろは？
縦にして持ち、上下から押して少しへこむぐらいが食べごろサイン。食べる前に冷蔵庫で冷やすと、おいしさUP。
数カ月の保存もOK
追熟しなければ、長期の保存が可能です。袋に入れて冷蔵庫に置いておけば、追熟が進まず数カ月は持つそう。
追熟方法
15度～20度程度の室温に放置していても追熟は進みますが、表皮のハリが多少失われることも。見た目もキレイにおいしく仕上げるには、小さな穴を開けたポリ袋に、リンゴとキウイを一緒に入れて。リンゴの出すエチレン（＝植物ホルモン）が、追熟を早めてくれます。
「キウイは“栽培半分、追熟半分”といわれ、追熟あっての“完成品”です。自分の好きな食べごろを見つけて味わってみてください」
いくつ知ってる？
香川のオリジナル品種
昭和50年代より、全国に先駆けてキウイの育種に取り組んできた香川県。ほかの産地にはないオリジナル品種も多く、10月下旬から11月上旬にかけて最盛期を迎えます。味わいはもちろん、国内でも貴重な袋がけ栽培を行い、美しい外観にもこだわった逸品ぞろい！
ブドウのように食べられる一口サイズ
① さぬきキウイっこ
香川県と香川大学が共同開発。一般的な品種「ヘイワード」の半分くらいの大きさで、手でプチッと割れます。11月から2月まで流通。
【平均糖度】15.0度以上
和三盆糖のような上品な甘さ
② さぬきエンジェルスイート
種子の周りが「天使の輪」のように赤く色づきます。糖度も高く、記憶に残る味わい。11月上旬から約2週間だけ出回る希少品です。
【平均糖度】15.0度以上
オリジナル品種の中で生産量がトップ
③ 香緑（こうりょく）
香川を代表するオリジナル品種。一般的なグリーンキウイより糖度が2度以上高く、俵のような形で、果肉は鮮やかなエメラルドグリーン。果汁も多く酸味とのバランスも◎。
【平均糖度】14.5度以上
ビタミンＣ含有量は一般的なグリーンキウイの３倍
④ さぬきゴールド
果実の大きさは世界最大級、リンゴのような丸い形。艶やかな黄金色の果肉は酸味が少なく、まるでメロンのような食感。
【平均糖度】13.5度以上
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