どう違うの?気になるお米
【教えてくれたのは…】
ちろりん村店長
大西 王仁(わに)さん
まるざ発芽玄米研究所代表
山川 瑞穂さん
健康志向の高まりとともに、目にする機会が増えた玄米や古代米、雑穀米。どれも体に良さそうだけど、「実は違いを説明できない」という人も多いのでは?そこで新米の季節を前に、ちょこっとおさらい。好みのものを白米に混ぜて、頑張りすぎずに取り入れてみませんか。
もっと知りたい「古代米」
古代米の最大の特徴は、玄米に色がついている“有色素米”であること。色別に異なる栄養素が含まれています。代表的な古代米と栄養素を見てみましょう。炊く時は、どの種類も白米 1合に対して大さじ1杯の古代米を混ぜるだけ。半日以上水に浸してから炊けば、栄養も香りもグンとアップして、より柔らかくなります。
赤米
便秘対策や美肌づくりに…
日本で発見された一番古いお米で、ぬか部分にポリフェノールの一種「タンニン」が含まれています。食物繊維は白米の約9倍、鉄分は約6倍。ビタミンB群やミネラル類も豊富です。赤飯の起源とも。
黒米
抗酸化作用たっぷり…
ぬか部分にポリフェノールの一種「アントシアニン」が含まれています。アントシアニンには抗酸化作用があり、老化防止などの効果が期待できるといわれています。別名“薬米”とも。
緑米
体イキイキ…
クロロフィル(葉緑素)という色素を多く含みます。古代米の中でも収穫量が少なく「幻の米」と呼ばれるほど。現代人に不足しがちな亜鉛やマグネシウムも豊富で、粘りと独特の甘みがあります。
よく聞く健康米の種類と特徴
★玄米
もみ殻だけを取り除いた状態、精白する前のお米のこと。表面のぬかと胚芽には、ビタミンやミネラル、食物繊維など体に必要な40種以上の栄養素が豊富に含まれています。
★発芽玄米
玄米を水に浸し、0.5〜1㍉ほど発芽させたもの。その際に栄養価、抗酸化力がアップ。柔らかく食べやすくなるため、発芽の手間はかかりますが、近年注目されています。
★古代米
古代米という品種や農学上の概念はなく、古代から栽培していた品種や、古代の野生種の性質が色濃く残っている米のこと。種類によって特徴が異なりますが、全体的に白米よりも栄養価が高いことが分かっています。
★雑穀米
粟、ひえ、ハトムギ、黒米など、白米以外の穀物を混ぜたもの。穀類の組み合わせ次第で栄養素や食感が異なり、ブレンドする数によって、五穀米や十穀米などと呼ばれています。
私たちが普段食べている白米は、玄米のぬか層をすべて削り、胚芽も取り除いた状態。栄養価は玄米より劣りますが、食べやすいのが魅力です。玄米などの雑穀は、それに比べると少し食べにくさを感じるもの。そこで胚芽を残したままぬかを削った「分搗(ぶづき)米」(5分づき、7分づきなど)や、古代米をいつものご飯に混ぜて炊くのがおすすめ。かむ回数を増やすように意識しましょう。
知っ得★歴史こぼれ話
「江戸煩い(わずらい)は白米のせいだった?」
日本人が一般的に白米を食べるようになったのは江戸時代。一説によると、大奥の女性たちの間から流行し、玄米に雑穀などを混ぜて食べていた庶民にもその風潮が広まったといわれています。ところが白米の消費量が上がるにつれ、「脚気(かっけ=ビタミンB1欠乏症)」患者が増えることに。地方から来た商人や侍は江戸を離れて食生活が戻ると治っていたため、「江戸煩い(えどわずらい)」と呼ばれていました。当時はおかずで補える栄養素も少なかったためか、ぬかや胚芽を取り除いた白米ではビタミンB1が不足してしまったようです。
古代米DE簡単メニュー
いつものカレーで栄養UP
★黒米入りご飯カレー
赤飯のように彩りよく炊き上がる黒米は、淡泊な味わいで、味のしっかりしたカレーとの相性がバッチリ。いつものカレーがぐんと味わい深くなりますよ。
秋の行楽のお供に
★古代米おにぎり
見た目も華やかで、冷めてもおいしい古代米は、おにぎりにぴったり。そのままでも栄養たっぷりですが、シソを巻いたり、ジャコを混ぜたり、オリジナルレシピを楽しんで。
ココで買えます
まんがら農園 古代米ミックス
「自然農法 古代の香り」
300㌘(大)800円・150㌘(小)500円
※無農薬・無肥料
◆販売・問い合わせ
ちろりん村
高松市上福岡町2058―2
TEL: 087(837)2976
営業時間: 午前10時~午後7時
定休日: 月曜
写真左から
緑米、黒米、赤米 各95㌘375円(3個セットは1080円)
※農薬、化学肥料、除草剤不使用
◆販売・問い合わせ
まるざ発芽玄米研究所
高松市牟礼町牟礼2310
TEL: 087(845)5200
営業時間: 午前10時~午後6時
定休日: 日曜(土曜、月曜は不定休あり)