午後の恐竜

星新一 著 新潮文庫 605円

予想のナナメ上の展開が刺激的 ブラックユーモア満載の“超”短編集

「ショートショートの神様」と呼ばれる星新一。名前は知っていたものの、しっかりと読んだことはない…という状態の自分が、ふと読んで衝撃を受けたのがこの文庫本。少し不思議&ブラックユーモアの効いた“超”短編集で、頭のコリがほぐされるような、新鮮な読後感。ある日目覚めたら、世界中に「実体のない巨大恐竜」が闊歩(かっぽ)していて…という話から始まる表題小説のオチにゾクッとするなど、想像の斜め上を行く展開の数々に驚かされます。1968年初版と半世紀以上前の小説ですが、その皮肉の効いた社会風刺は色あせることがない…というより、むしろ「今」の方が、この狂気の世界に近づいているようで空恐ろしく感じるほど。若い頃に読んでもおもしろかったと思いますが、年を取り経験を積んだ今だからこそ、よりリアルな体感が得られる内容です。(ひ)

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2025年5月2日号掲載の情報です

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