熱中症のウソorホント?
そろそろ熱中症に気をつけたい時季になりました。でも、対策についてはみんないろいろ言っていて、もっともに聞こえることもあれば、首をかしげることも…。今回は、そんな素朴なギモンの正否を、ドクターに判定してもらいました。
教えてくれたのは…
香川大学医学部衛生学 宮武伸行先生
高松市保健所保健対策課 藤川 愛先生
Q.昔はあまり聞かなかったけど、最近増えているような…。
A. ○
高松地方気象台のホームページによると、高松市で1年間に35℃以上を観測した日(猛暑日)は、1970年代では0~4日ですが、2013年は29日もあり、2017年は18日、と増加傾向。地球の温暖化や、都市化に伴う 気温上昇によって、熱中症の増加が 危惧されています。
Q.なりやすい人っているの?
A.○
患者のおよそ半数が高齢者。暑さを感じづらかったり、体温の調節機能が低下していたりするためです。同じく体温調節が苦手な乳幼児や、持病がある人も要注意。また、健康な人でも、脱水気味な日や空腹時、二日酔い、寝不足といった体調が影響することが往々にしてあります。中高生は、部活動を始めたばかりの1年生がしばしば発症。また、男性が全体の3分の2を占めています。
Q.家の中にいれば安心?
A.×
温度だけでなく、湿度が高いと汗が出にくく、徐々に体内に熱がこもることも…。屋外だけでなく、室内で何もしていない時でも発症します。国立環境研究所の熱中症患者速報平成27年度報告書によると、高齢者では「在宅」での発症が多く、外遊びをする子どもは学校、特に「運動中」、働く世代の男性は「作業中」が多くなっています。 ちなみに、日本体育協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」では、暑さ指数31度(気温の目安35℃)以上の環境では、原則運動は禁止です。
Q.予防にと、梅干しを配っている人がいました。効果アリ?
A.○
梅干しには、塩分と糖分が適度に含まれており、発汗で失われるナトリウムを摂取できるので、予防には適しています(梅干し1個の塩分は2㌘程度、大きいものは4㌘)。その際は、水分と一緒に取るのが望ましいです。ただし塩分の取り過ぎに注意しましょう。
Q.水は、「練習や試合の前の日から飲む」「調子が悪くなってから飲んでも意味がない。スポーツドリンクでないと」と、スポ少のママ友が言っていたけど、本当?
A.△
室内でも、外出時でも、のどの渇きを感じていなくても、水分、塩分、経口補水液(水に食塩とブドウ糖を溶かしたもの)などを“こまめに取る”ことが大切。大量の汗をかいた時は、電解質が失われているので、水分だけでは不十分で、0.1~0.2㌫程度の塩分を含む水分の摂取が推奨されています。スポーツドリンクの塩分もこの範囲。摂取のタイミングは、運動前と運動中(30分に1回程度)。ただし、いずれも塩分や糖分の取り過ぎにご用心。高血圧傾向や糖尿病の人は特に気を付けましょう。
Q.夏に高校野球の試合を見ていた時、外野の選手が足をつってゲームが中断。熱中症の症状ですか?
A.△
熱中症の症状に、手足のしびれ、筋肉のこむら返り(痛い)があります。ただ、「足がつる=熱中症」ではありません。足のつりの原因に多いのは、主に筋肉疲労。大量発汗によって電解質が失われ、けいれんを引き起こす場合もあります。
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